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BenQ SW271C / PD2725U 徹底比較レビュー!と用途別モニター選び方ガイド!
単なる機能比較で「どちらのディスプレイが良いのか?」ではなく「こんな人にはこちらがおすすめ!」といった風に選び方のポイントを紹介していきます。
BenQ SW271C とPD2725U の実売価格を比較!
2021年8月22日現在、BenQ SW271C のAmazon での価格は「178,200円」、PD2725U の価格は「103,500円」、その差は「74,700円」です。
SW271C には遮光フードが同梱されているとは言え、決して安くはない価格差です。
これらを踏まえてSW271C とPD2725U のどちらを選べば良いかを目的に応じて考察してみたいと思います。
ミラーレス機で撮影した写真をレタッチ・プリントしたい!
SW271C をおすすめします。
SW271C は ”Adobe RGB ”に99%対応しており、より広い色空間(カラースペース)をサポートしています。
上図の色空間(カラースペース)を参照すると、Adobe RGB は一般的なプリンタの色再現領域(CMYK)をほぼ完全にサポートしているのが分かります。
印刷物用途だと「Adobe RGB 」という風に覚えておけば先ず間違いないです。
BenQ SW271C は遮光フードが標準装備されており、ハードウエアキャリブレーションに対応している点も嬉しいポイントです。
また「10-bit カラー」及び「輝度ムラ補正」についてはSW271C / PD2725Uとも対応しているので、HEIF 形式で撮影したデータを色調豊かに表示する事が出来ます。
モニターで見たままの色を出力しても色ズレなく再現できるのは、大きなメリットです。
ココがポイント
HEIF 形式は10-bit、JPEG 形式は8-bit カラーです
HEIF とは?
HEIF(ヒーフ)とは「High Efficiency Image File Format」の略で「高効率画像ファイル」のことです。
高画質でありながらデータ容量が軽いのが特徴で、JPEGの約半分程の容量に抑えられ、10-bit カラーをサポートします。
ただ互換性に優れるのは、JPEG です。
SW271C とPD2725Uの大きな違いは、SW271Cは「ハードウェアキャリブレーション」に対応している点です。
ココがおすすめ
BenQ SW271C はハードウエア・キャリブレーションに対応しています!
ハードウエア・キャリブレーションとは
モニター内部の設定を「キャリブレーター」を用いて調整することで、直接モニターの色表示を調整する方法をハードウェア・キャリブレーションといいます。
BenQ ではキャリブレーション用ソフトウエア”Palette Master Element "を無償配布しています。
このソフトウエアとキャリブレータ(アイワン ディスプレイ プロ(i1Display Pro)がおすすめ)を使用することで、ディスプレイのカラーパフォーマンスを最適な状態に調整・維持することが可能です。
ハードウエア・キャリブレーションが出来るモニターの条件は、SW271C の様にハードウェア・キャリブレーションに対応した各色10-bit以上のルックアップテーブルを内蔵したモニターである事です。
またSW271C が搭載するIPS液晶パネルは、PD2725U に比べて高品質な物が使われており、発色・色再現性共に優れています。
ココがおすすめ
高品質パネルは映り込みも抑えられています
さらに詳しく
10-bit と8-bit カラーの違い
10bit |
8bit |
|
階調 |
1024 |
256 |
色の数 |
約10億7374万 |
約1677万 |
10-bit カラーの方がより深みのある階調表現が可能です。
Premiere Pro やAfter Effects で動画編集をしたい!
PD2725U をおすすめします。
そもそも一般的なデジタルコンテンツで使われている色域はsRGB です。
BenQ PD2725U はsRGB を100% サポートしながら、BenQ SW271C より「7万円以上」も価格が安いので、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
アイケア機能も備わっていて、長時間作業をしていると「休憩しましょう」とモニターがテキストで教えてくれる親切ぶりです。
「色空間(カラースペース)」とは、数値で色を指定して表現できる色の範囲のことをいいます。
色空間をディスプレイなどの機器が実際に再現できる範囲を「色域」と言います。
印刷に関する色空間はRGBとCMYKの2種類がありますが、RGB(255, 0, 0)と数値で指定することで赤色を表現することが可能です。
下の画像はPhotoshop のカラーピッカーで赤色を指定したものです。
sRGB の色域をカバーしている安価なモニタも多くありますが、その場合、8-bit カラーで色の再現性が正確でないものが殆どです。
その点、BenQ PD2725U を選んでおけば安心です。
Log 撮影した映像にLUTを適用させて色補正をしたい
SW271C をおすすめします。
BenQ SW271C は、「16-bit 3D LUT」を採用し、Delta E≦ 2の厳密な色を再現できる数少ないモニターディスプレイです。
ここでLUT について少し触れておきます。
LUT (ラット:ルックアップテーブルの略)とは「映像の中の色調を加工するためにコードで構成されたファイル」のことを言います。
ハリウッドなどの映画スタジオでは、ドラマチックで見応えのある映像を作るために、カメラや照明だけでなく”LUT ”が使われています。
この色味を調整(補正)する作業をカラーグレーディングと言います。
映像編集では必ず行わなければならない最終工程です。
このカラーグレーディングを専門に扱うエディターもいる程です。
Lumetri カラーを使ったカラー補正は大変で時間も掛かりますが、”LUT ”を適用するだけなら1クリックで済みます。
"LUT "を簡単に例えるなら、レンズに被せるカラーフィルターみたいなものと言えば分かりやすいかもしれません。
Log 撮影した動画コンテンツは、彩度やコントラストが低くフラットで地味な印象を受けます。
所謂「ネムイ映像」です。
この「ネムイ映像」には後工程でカラーグレーディングを行うための「色(光)の階調データ」が詰まっているので、そこに様々な”LUT " を適用することでよりドラマチックだったりイマーシブな映像に仕立てる事ができるのです。
”LUT ”の適用の仕方は音楽再生アプリのイコライザープリセット(Rock とか)を選んで適用するのと同じ様な感覚です。
そのLUT の適用の仕方については、こちらの動画が参考になると思います。↓
BenQ SW271C があれば、自宅をハリウッドのプリプロダクション・ポストプロダクションにすることさえ出来るのです!
液晶タブレットでイラストなどの創作をしたい
SW271C とPD2725U の両方をおすすめします。
ケースバイケースです。
アプリケーションや目的によってどれ程の色域を必要としているかで、SW271C にするかPD2725U にするかを決めれば良いと思います。
印刷物を制作するならSW271C、デジタルコンテンツの制作であればPD2725U と言った様にです。
因みに上の画像で使用している液タブは、Wacom Cintiq Pro 24 です。
27inch モニターディスプレイと24inch の液タブを一緒に使用する場合、上の画像の様なサイズ感になります。
液タブの画面が広いと確かに操作性は高くなるのですが、良い点ばかりではなかったです。
マウスやキーボード、TourBox といった左手デバイスを一緒に使うなら、Wacom Cintiq (Pro) 16 の方が無理に手を伸ばさずに済むので作業が捗ります。
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まとめ
今回のまとめです。
Adobe RGB をサポートし、厳密な色を再現性を求めるのであればBenQ SW271C。
sRGB の色域で十分かつデジタルコンテンツしか作らない人は、BenQ PD2725U。
予算に余裕があるのならSW271C、予算が厳しめで10-bit カラーの再現が必要な人はPD2725U といった様にモニターディスプレイ選びができるかと思います。
BenQ SW271C とPD2725U を並べて同じ画像を表示させた場合、SW271C の方が発色が鮮やかで綺麗です(パネルのグレードが違うから)。
色のりはSW271C の方がより自然な再現が可能で、デザインモードだと俄然発色がビビットで鮮やかになります。
PD2725U はSW271C に比べて少し薄味といった感じでしょうか。
下の画像は、モニターに表示させた画像をデジカメで撮影したものです。
JPEG 撮って出しです。
色合いがおかしいのは、ホワイトバランスの調整を忘れていただけです。
説得力に欠けますが、見たままの色合いを色鮮やかに階調豊かに再現してくれるのはSW271C の方が上手です。
更にSW271C には遮光フードが標準で同梱されています。
そのまま価格差に直結していることなので、SW271C とPD2725U を単純に比べることは厳しいですが、もしどちらを導入するべきかで迷っているなら、SW271Cをおすすめします。
Adobe RGB に対応したモニターディスプレイが1台あれば、クリエイティビティの幅が拡がるからです。
またSW271C は、「16−bit 3D-LUT 」の階調再現が出来るので、価格もこなれてきた今、将来を見越して導入しても後悔しないモニターディスプレイだと思います。
今回はここまで。
ではまた。