Audio / Music スピーカー レビュー

リファレンスモニター IK Multimedia iLoud Micro Monitor 試聴レビュー

2020年11月12日

人気のリファレンスモニタースピーカー2機種を徹底比較!(後編)|IK Multimedia iLoud Micro Monitor レビュー

前回のJ「BL PROFESSIONAL 104-BT-Y3」に引き続き、リファレンスモニタースピーカーとして人気の高い「IK Multimedia iLoud Micro Monitor」 を取り上げて、両機の比較と視聴してみた感想をレビューします。

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リファレンスモニター IK Multimedia iLoud Micro Monitor 試聴レビュー

IK Multimedia iLoud Micro Monitor は20116年に発売され、多くの音楽制作者やDTMer に愛されて、2018年にiLoud Micro Monitor White Special Edition(ホワイト・エディション)が発表・発売されています。

プロの楽曲制作スタジオからパーソナルユースのDTMに至るまで、様々なシーンで採用されています。

製品紹介PV

設置イメージ

IK Multimedia iLoud Micro Monitor の特徴

コンパクトな筐体と優れた設置性能

iLoud Micro Monitor も、ACアダプタを用いてコンセントから外部電源を供給するパワード・スピーカーになります。

前回紹介したJBL PROFESSIONAL 104-BT-Y3 のサイズが、(H)247 × (W)153 × (D)125mm なのに対し、IK Multimedia iLoud Micro Monitor は、(H)180mm × (W)90mm × (D)135mm と、さらにコンパクトなサイズです。

狭いデスクトップ上でもディスプレイの脇に設置が可能で、先日発表されたApple M1チップを搭載した新しいMacBook Air (Pro) と組み合わせても、サイズ的に相性は抜群です。

エンクロージャー下にあるスタンドは、スピーカーが自分の耳より下になる位置にある時、上方向に向けて角度調整する事ができます。

本体下部には、マイク・スタンド取り付け用のネジ穴(UNC 3/8”-16)も装備しているので、最適な位置と高さに設置が可能で、優れた設置性能を誇ります。

また、全ての機能をマスタースピーカー(左)に集約しているため、エクステンションスピーカー(右)は電源が不要で配線をシンプルに行うことができます。

50W出力バイ・アンプ方式による2Way スピーカーで驚くほど透明で明瞭なサウンドを実現

iLoud Micro Monitor のスピーカーユニットは、カスタム・メイドの複合素材による3inchのウーファー、3/4inchのシルク・ドーム・トゥイーターを搭載しており、世界最小クラスの2Way リファレンス・モニター・システムになります。

出力は50W RMSで、ウーファー、トゥイーターそれぞれに独立した計4つの超高能率のクラスDアンプで駆動させるバイ・アンプ方式を採用しており、驚くほど透明で明瞭、正確なサウンドを実現しています。

RMSとは?

音量の平均値を表し、マスタリング(音質、音圧を整え均一化する作業)など全体音量の把握に使用される単位

バイアンプ方式とは?

一般的な接続方式は、ウーファーは低音、ツイーターは高音とそれぞれ異なる帯域を再生して、音波が合成されることでアンプから出力されるような高音から低音までの音として聴こえるのに対し、バイアンプは、高域、低域それぞれに独立したアンプを接続して音質の向上を図る方式

また、この小さなエンクロージャーにバスレフポートも搭載する事で、バイアンプ方式のデメリットを打ち消しながら、低音域の再生強化を実現しています。

56-bit DSPにより、正確な位相と周波数特性のコントロールを実現

内蔵された56-bit DSP(デジタル・サウンド・プロセッサー)により、正確な位相、周波数特性のコントロールを実現し、狭いスペースでも正確な位相、定位とリニアな周波数特性を実現しています。

リニアな周波数特性ってどう言う意味?

リニアアンプとは、入出力が良好な比例関係を持つ歪みが少ないアンプの事を指し、周波数を変化させたときの歪みが少ないという意味。

周波数特性とは、音響機器や回路等の入力を一定にした状態で周波数を変化させた時、出力がどのように変化するかを表したを表した物。

設置される環境にあわせてサウンドの最適化が可能

内蔵DSPをコントロール可能な3つのEQスイッチを備えており、設置される環境にあわせてサウンドを最適化することができます。

デスクトップ設置時に机の上に置かれたさまざまな物による音の乱反射を補正するDESKTOPモードの他、低域、高域の補正を行う3つのEQスイッチが装備されています。

豊富な入出力端子

iLoud Micro Monitorには、RCA、1/8インチ・ステレオ・ミニ端子を装備している他、Bluetooth接続にも対応しています。

音楽制作、ビデオの編集などの作業時にはライン接続、日常のリスニング時にはワイヤレス接続と、様々なシーンでの使用目的に合わせて使う事ができます。

肝心のサウンドは?

MacBook Pro との接続に、ステレオミニ - RCA 変換ケーブルを使っての感想です。

ココがおすすめ

  • このサイズで驚くような低域再生能力で伸びと量感が素晴らしい
  • 逆に高音は低音に比べて少しおとなしい感じがするが、不足という感じはなく、音をチェックする上で問題はない
  • 高域から低域までフラットに聴かせてくれるバランスが優秀で、楽器の生々しいリアルな音を聴かせてくれる
  • DTM のアプリがついてくる
  • 見た目が格好いい

仕様

【仕様】

  • タイプ 2Way・アクティブ、バイアンプ・スタジオ・モニター
  • 周波数特性(-10dB): 45Hz - 22kHz
  • クロスオーバー周波数:3kHz
  • ツィーター:3/4インチシルクドーム、ネオジウムマグネット
  • ウーファー:3インチ高剛性カスタムコンポジット素材
  • 最大SPL @ 50cm(2台のスピーカーを使用した場合、100Hzから10kHzまでの平均的な正弦波):107dB
  • アンプの数 4
  • アンプタイプ:高効率クラスD
  • 総出力(両スピーカー):70W(ピーク)-50W RMS
  • 低域出力電力(シングルスピーカー):18W RMS
  • 高域出力(シングルスピーカー):7W RMS
  • 音響設定:ハイシェルフ(4kHz以上で0dBまたは-3dB)、ローシェルフ(250Hz以下で0dBまたは-3dB)、デスクトップ(1kHz~10kHzで+3.5dB、400Hz以下で-1dB
  • システムトータルレイテンシ(アナログ入力):1.02ms
  • システムトータルレイテンシ(Bluetooth入力):155ms(ホストの実装に依存、iPhone 6S / iOS 10.0.1でテスト済み
  • 高性能バスレフポート
  • DSP制御
  • コネクター 2 x RCA入力(ケーブル付属)、TRS 1/8 "ステレオ入力、4ピン・スピーカー・コネクター(ケーブル付属)
  • A2DPプロトコルに対応したBluetooth®対応
  • サイズ:180mm/7.09インチ×135mm/5.31インチ×90mm/3.54インチ
  • 重量:920g/32.45オンス(左スピーカー)、800g/28.22オンス(右スピーカー)、1,720g/60.67オンス(左+右スピーカー)

【付属品】

  • 2 x iLoudマイクロモニタースピーカー
  • 電源ユニット
  • 電源ケーブル
  • 4ピンスピーカー接続ケーブル(2m/6.56')
  • TRS 1/8 "ステレオ→2 x RCAケーブル(1.5m/4.92')

【寸法・重量】

  • サイズ:180mm/7.09インチ×135mm/5.31インチ×90mm/3.54インチ
  • 重量:920g/32.45オンス(左スピーカー)、800g/28.22オンス(右スピーカー)、1,720g/60.67オンス(左+右スピーカー

【システム要件】

iLoud Micro Monitorは、Mac、PC、iPhone、iPad、iPod、Androidスマートフォンやタブレット、MP3プレーヤーと互換性のある有線接続(RCAとTRS 1/8 "ステレオ入力)を搭載しています。また、A2DPプロトコルに対応したほとんどのBluetooth®対応機器にも対応しています。

【無料で同梱されているアプリ・ソフト】

iLoud Micro Monitorには、以下の無料ボーナスコンテンツが付属しています。

  • T-RackS 5 Metering
  • T-RackS Custom Shop
  • AmpliTube Custom Shop

iLoud Micro Monitorsを登録すると、音楽制作を改善するための強力なソフトウェア・ツールがアンロックされ、他のIK Multimediaソフトウェアの特別割引も受けられます。

まとめ

IK Multimedia iLoud Micro Monitor の感想

多くのレビューで述べられているような「このサイズで驚くような低域再生」という謳い文句は本物です。

コンパクトな2Way スピーカーでありながら、ボリュームを上げても箱鳴りする事もなく、小音量で再生しても音のバランスが破綻しないのは流石といった印象を受けました。

また、このサイズの安価なスピーカーでありがちな中音域を無理矢理持ち上げたような感じや、低音域がブーミーに感じることはありません。

変に脚色されないフラットでニュートラルなリファレンスモニターサウンドを全帯域で再生できて、プロの要求にも耐えうる優秀なスピーカーです。

そして再生能力が高いことから、ミキシングやマスタリングなどを行う際のリファレンスモニターとしての用途だけに留まらず、純粋に音楽を聴くことを楽しめるちょっと贅沢なリスニング用途のスピーカーとしての一面も持ちます。

周波数特性ではハイレゾに対応していませんが、それだけをみても十分な再生能力の高さがうかがえます。

驚いたのが、PCに接続してのスーパーニアフィールド(耳からスピーカーまでの距離が50〜60cm)のリスニングでも、ステレオ感が失われず、音の定位感をしっかり感じ取ることができるのは凄いと思いました。

この様に優れた再生能力を持つ事から、音楽制作の場では期待を裏切らない性能を発揮してくれるコンパクトで優れたリファレンスモニタースピーカーである事は間違い無いと思います。

しかし、気になった点もあります。

それは、ステレオミニ - RCA 変換ケーブルでライン接続しているのが原因なのかどうかは判断できかねますが、MacBook Pro でApple Music の楽曲を再生した時に、明らかに音像に明瞭感が感じられず解像度も不足している感じがしたのです。

これは筆者が普段からハイレゾ音源を聴いている弊害かもしれないのですが、圧縮音源を再生した時の音がのっぺりしており、音にぼんやりと霞がかかっている感じがするのです。

イコライザーを調整しても変化はありませんでした。

そこで前回試聴したJBL 104-BT-Y3 と同様に、FOSTEX HP-A4 を繋いで圧縮音源(AAC, MP3)を再生したところ、明確に音像の明瞭感と解像度が上がったので、このスピーカーの再生能力の高さと素直さを伺う事ができました。

同様にハイレゾ音源の再生でも、高い性能を発揮してくれたのは流石ですね。

この様に、音源のクオリティが低いとスピーカー自体がアップサンプリングしてくれるわけでは無いので、再生しても聴こえる音のクオリティは低いままなのです。

そうなってくると、コンパクトなニアフィールド・リファレンスモニターで、音像の明瞭感と高い解像度を求めた場合、IK Multimedia iLoud MTM が候補として急浮上してきます。

ライターから一言

高解像度のコンパクト・ニアフィールド・リファレンスモニターが必要なら IK Multimedia iLoud MTM を選択するのもあり


そうなってくると、(USB-)DAC + パッシブ(またはアクティブ)スピーカーという選択をするか、高解像度ニアフィールド・アクティブ・リファレンスモニターである IK Multimedia iLoud MTM を選択をするか悩ましい所です。

JBL 104-BT-Y3 と IK Multimedia iLoud Micro Monitor を比較してどちらがオススメか?

筆者の見解で結論から言うと、JBL 104-BT-Y3 です。

その理由として、

  • ドライバは同軸と2Way の違いはあるものの、JBLの方がドライバユニットのサイズが大きい恩恵が感じられる
  • ボリューム調整などが楽
  • JBL-104-BT-Y3 は2020年に発売された最新機種
  •  価格がIK Multimedia の約半額と安価なので、iLoud Micro を購入したつもりの差額分をDAC購入費用に当てることで、より高音質なニアフィールドモニターシステムが構築できる
  • 圧縮音源を再生しても「あれ?」と感じる事はなかった
  • 安価である

というのが筆者の考えです

JBL 104-BT-Y3 の方がIK Multimedia に比べて中高音域の再生が上手いというのが、筆者好みであるのも理由の一つです。

操作系のインターフェースがスピーカーの前面にあるJBL 104-BT-Y3 の方が、ボリュームの調整などで煩わしさがない(ボリュームやペアリング、EQ操作などでスピーカーをいちいち持ち上げなくて済む)のは、大きなメリットだと思います。

しかし、スーパーニアフィールドで聴きたい、2Way がいい、迫力のある低音域が欲しい、JBL 104-BT-Y3 のずんぐりした形が気に入らない、ガチでDTM 用途に使う、見た目がiLoud Micro の方が好きという明確な意図がある人には、DTM アプリも付属してくる IK Multimedia iLoud Micro Monitor を選択するのがいいでしょう。

筆者も見た目に関しては、iLoud Micro の方が好きです。

最終的には用途と好みになるのですが、筆者の環境で圧縮音源をライン接続とBluetoothでIK Multimedia iLoud Micro Monitor を視聴したところ、どうしても音像の明瞭感に欠け、解像度にも物足りなさを感じたので、その様な場合には IK Multimedia iLoud MTM を選択するのもありかなと思います。

もし、IK Multimedia iLoud MTM を選ぶとなると、今度は前編で紹介したKEFのスピーカーも射程距離に入ってくるので非常に悩みどころではあります。

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スピーカー選びもなかなか楽しいと思いませんか?

今回はここまで。






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